2024年度(令和6年度)事業計画

次なる30年に向けて

佐賀いのちの電話は、1998年7月に設立されて以来、多くの方々のご支援ご協力のお陰で、昨年25周年の節目を迎え、次なる30周年に向けて歩き始めました。

世の中を震撼させた新型コロナも5類へと以降しましたが、その間多くの方からの電話を受信し、傾聴し寄り添ってきました。全国の前年の自死者数は若干減ったとはいえ、3年連続で2万人以上と高止まりしています。佐賀県においても100人以上の自死者が出ています。自死者を一人でも少なくするためには、今後も私たち「いのちの電話」が果たす役割は、益々重要になってきます。電話相談事業を継続していく上で、相談活動の充実や財政基盤、広報活動の強化などに注力してまいります。

重点活動への取り組み

(1)相談活動の充実

①相談員の養成と研修
 イ:30期電話相談員養成講座の開講
 ロ:相談員の継続研修 
   資質の向上をはかるため、認定後も継続して研修を行う。
   ・年1回のスーパービジョン  ・毎月1回のグループ研修  
   ・スキルアップのためのフリー学習会  ・一泊研修  
   ・各種研修会に参加  ・相談員サポーター養成講座

②非通知電話受信拒否の検討 
 性的通話者、頻回通話者の対策として、電話番号非通知電話の受信拒否の研究・調査を行う。

③「空きコマ」の解消
 イ:「深夜帯」の空きコマ解消へ相談員の協力を引き出す
 ロ:ホームページの当番表閲覧の周知徹底と直接入力への改善
 ハ:相談員の意見を取り入れ、当番に入りやすい仕組みや工夫を行う

(2)電話相談員の交流・親睦
①世話人会
電話相談員の情報交換等のため、奇数月の第1土曜日に開催

②研修班ごとの研修会・食事会・全体集会(リフレッシュ会)の開催

(3)事務所移転計画の着手
   建物の経年老朽化と駐車場問題を解決するために、移転・現在地での改装を含め検討委員会の設置を行う

(4)事業資金の確保 
   事務所の移転・改装等の資金を含め、電話相談事業を円滑に運営するための安定財源確保を図るため、幅広く寄付金を募る

  イ:団体・企業を中心に寄付金募集案内を発送する
  ロ:「いのちの応援団」の再構築を図る
  ハ:税額控除制度の広報に努める
  ニ:バザーの開催や募金箱の設置拡大を図る
  ホ:自動販売機の売上の一部寄付の依頼を行う

(5)自死予防事業(厚生労働省支援事業)への協力
①自殺予防いのちの電話
  イ:毎日フリーダイヤル(16時〜21時)
  ロ:毎月10日フリーダイヤル(10日午前8時〜11日午前8時)
②公開講演会の開催
③自死遺族支援「わかち合い」のつどいの開催(毎月第4土曜日)
  イ:自死遺族支援員の養成

(6)広報活動の強化
①会報紙発行(年2回)
②ホームページの充実
③ポスター・パンフレット・カードの活用
④新聞・メディア・市報等への出稿
⑤他の相談機関との連携と地域ネットワークへの参加

2023年度(令和5年度) 事業報告

Ⅰ 事業の概要
佐賀いのちの電話は、1998年7月12日の設立以来、開局25年周年を迎えました。
7月には、久留米大学長・内村直尚氏を講師として迎え、開局25周年記念公開講演会を開催しました。 
8月には、漫才コンビ「今日もさが日和」と「東京HANAHANAカルテット」を迎えてのチャリティーコンサートを開催すことができました。

これもボランティア相談員をはじめ、多くの企業・団体、そして個人の方々に支えられてまいりました結果です。
また、佐賀県・佐賀市をはじめ行政のご理解をいただき、相談活動を続ける事ができたこともご報告いたします。
新型コロナ感染症も落ち着きを見せ、昨年5月には5類への移行が発表され、相談員も少しは安心して、年中無休24時間の相談業務にあたることができました。
2023年度に佐賀いのちの電話の相談員が対応した受信件数は、17,567件で、全国50センターの内、上位から6番目です。これも相談員の協力の賜物です。

新相談員の確保につきましては、公開講座受講者18名中8名が養成講座を受けられ、最終的に7名の方が、第3課程に進まれ研修中です。新相談員は、7名が認定されました。

しかし、辞退者3名、休務者10名が発生し、実担当相談者は、122名となっています。
私たちを取り巻く環境は、依然として先行き不透明で厳しいものであり、今後の課題として残りました。
相談事業を継続するうえで、新たな相談員の養成や相談員の研修・財政基盤の強化が一層求められます。

Ⅱ 事業運営

1、役員会の開催状況

◎理事会

*第1回理事会   期日:令和5年5月2日(火)18:45~20:25
          会場:メートプラザ佐賀 1階小会議室
          理事:5名出席(3名欠席)  監事:1名出席(1名欠席)
・議事       第1号議案 パワーハラスメントについて
          第2号議案 相談員有志からの要望書
          「事務局長交代」署名簿付きについて

*第2回理事会   期日:令和5年6月5日(月)19:00~20:30
          会場:メートプラザ佐賀 2階研修室
          理事:7名出席(1名欠席) 監事:2名出席
・議事       第1号議案 令和4年度事業報告及び決算承認並びに評議員会への提案
          第2号議案 役員候補者案の決定及び評議員会への提案
          第3号議案 令和5年度定時評議員会招集の件
          第4号議案 その他

*第3回理事会   期日:令和5年6月20日(火)19:40~20:10
          会場:メートプラザ佐賀 2階研修室
          理事:8名出席  監事:1名出席(1名欠席)
・議事       第1号議案 理事長、の選出について
          理事長に松永啓介理事を選任

第2号議案 副理事長、業務執行理事の選出について

副理事長に吉野徳親理事を選任
業務執行理事に髙橋幸市理事を選任

*第4回理事会   期日:令和5年8月29日(火)19:00~19:50
          場所:メートプラザ佐賀 1階小会議室
          理事:7名出席(1名欠席) 監事:2名出席
・議事       第1号議案 事務局長人事について
          後任事務局長に野田豊秋氏を選任(9月1日付け)
          第2号議案 事務局次長の手当支給規程の新設
          第3号議案 事務局非常勤職員の時給改定

*第5回理事会   期日:令和5年11月27日(月)
  書面決議    理事8名全員の同意書、監事2名の異議なし確認
          第1号議案 令和5年度社会福祉法人指導監査による改善報告について
         (佐賀県福祉課監査班による3年に1度の監査)

*第6回理事会   期日:令和6年3月12日(火)18:30~19:45
          場所:メートプラザ佐賀2階研修室
          理事:7名(1名欠席) 監事:1名(1名欠席)
・議事       第1号議案 令和5年度資金収入補正について
          第2号議案 令和6年度事業計画について
          第3号議案 令和6年度資金収支予算について
          第4号議案 令和5年度第2回評議員会開催について
          第5号議案 ハラスメント規程一部改訂について
          第6号議案 事務所移転検討員会設置について

◎評議員会

*定時評議員会   期日:令和5年6月20日(火)18:30~19:30
          場所:メートプラザ佐賀2階研修室
          評議員:6名出席(4名欠席) 監事:1名出席(1名欠席)
          理事:松永理事長出席

・議事
第1号議案 社会福祉法人佐賀いのちの電話の令和4年度計算書類、財産目録及び事業報告案の承認について
第2号議案 社会福祉法人佐賀いのちの電話の次期理事、監事の選任について

*第2回評議員会  期日:令和6年3月26日(火)18:30~19:40
          場所:メートプラザ佐賀 1階小会議室
          評議員:7名出席(3名欠席)
          理事:2名(吉野副理事長、髙橋業務執行理事)
◎監査会      期日:令和6年5月23日(木) 14:00~15:00
          場所:事務局  七田監事、津留監事

◎事務局長会議     期日:令和5年7月8日(土)13:00~9日(日)12:00
            場所:連盟本部(東京飯田橋)  野田事務局次長代理出席
◎自死遺族支援研修会  期日:令和5年10月21日(土)14:00~22日(日)11:30
            場所:ホテルリガーレ春日野(奈良市) 7名出席
◎電話相談員研修会
     全国大会   期日:令和5年10月26日(木)27日(金)28日(土)
            会場:ホテルハマツ、郡山市民交流プラザ(福島県郡山市)
                               3名出席
Ⅲ 電話相談

1,電話相談活動の実施
 ・電話相談業務   年中無休、24時間体制
 ・相談電話機    2台
 ・電話相談員数   122名(令和6年3月末)
  令和5年度受信件数:17,567件 1日平均:48.1件
  過去の受信件数   令和4年度:16,412件(1日平均:44.9件)
            令和3年度:18,493件(1日平均:50.6件)
            令和2年度:18,353件(1日平均:50.3件)

2,「自殺予防、佐賀いのちの電話」の実施
 ・自殺予防相談電話(24時間)電話:0952-34-4343
 ・佐賀県自殺予防夜間相談電話(毎日:23:00~5:00) 電話:0120-400-337
 ・全国自殺予防いのちの電話(毎月:10日8:00~11日8:00) 電話:0120-783-556
 ・全国自殺予防毎日フリーダイヤル(毎日:16:00~21:00)電話:0120-783-556
 ・自死遺族支援わかちあい「ハートの海」 
  相談会:毎月第4土曜日 13:30~15:30 会場:アバンセ

3, 電話相談員の現状、養成等
(1)電話相談員数
令和6年3月末 132名(含む休務者)29期第3課程受講者  7名
令和5年3月末 138名(含む休務者)28期第3課程受講者  8名
令和4年3月末 139名(含む休務者)27期第3課程受講者 18名
令和3年3月末 139名(含む休務者)26期第3課程受講者  6名
令和2年3月末 138名(含む休務者)25期第3課程受講者 17名

(2)電話相談員の養成
 1)第29期カウンセリング公開講座 第1課程 11回
   期間:令和5年5月~7月        18名受講
 2)第29期電話相談員養成講座   第2課程 26回
   期間:令和5年9月~令和6年3月     8名受講
 3)第29期生電話相談員養成講座  第3課程 
   期間:令和6年4月~令和7年3月     7名受講中
(3)電話相談員の継続研修・表彰
   1)班研修 毎月12回実施
   2)全体研修8回(含む他の団体主催)
   3)認定・表彰 28期生認定者 7名
   ・100回:6名   200回:3名   300回:10名   400回:2名
   ・500回:1名   600回:3名   700回:1名    800回:3名
   ・1000回:1名 1100回:1名  1200回:2名   1300回:1名
   ・1400回:2名 1500回:1名
 
Ⅳ 委員会活動

(1) 電話相談活動運営員会 
1回開催:11月17日(金)19:00 アバンセ4階研修室

(2) 研修委員会
1回開催:4月4日(火)19:00 事務局  相談員認定会議

(3) 広報委員会
2回開催:6月9日(金) 8月18日(金)19:00 さくら研究所
  1)25周年記念事業について
  2)ハートの海61号発行について
  3)毎月11日の大和イオン幸せの黄色いレシートキャンペーンについて
  4)大型商業施設での広報啓発活動について

(4)事業委員会
   2回開催:6月8日(木)・8月18日(金)19:00 さくら研究所
  1)25周年記念講演会の準備の件
  2)25周年記念チャリティーコンサートの準備の件

(5)世話人会 隔月第4土曜に開催

(6)サポーターの会 毎月第4木曜日に開催

(7)ハラスメント等調査対策委員会
  1)ハラスメント規程の策定           
    令和5年4月3日(月)・4月27日(木)2回開催
  2)ハラスメント調査(対象者への聞き取り)
    令和5年4月8日(土)・4月12日(水)・4月18日(火)・4月26日(水)4回開催

Ⅴ 委託・補助事業

(1) 受託事業
  1)佐賀県:佐賀県自殺予防夜間電話相談事業
   (毎日:23:00~翌朝5:00)
    3,500,000円
  2)佐賀市:自殺予防対策普及啓発事業  
    市報広告・大型商業施設でのキャンペーン等
    660,000円

(2)補助事業
  1)佐賀県地域自殺対策強化事業
    相談員養成講座・自死遺族支援事業
    1,400,000円
  2)厚生労働省自殺対策補助事業  
    公開講演会・FD電話
    1,134,000円

(3)助成金
  1)毎日新聞西部本社社会事業団          
    100,000円  

(4)佐賀県ふるさと納税NPO支援
   寄附額(13件) 460,000円 
   前年度(37件) 1606,000円

収支報告

監査報告